わたしの秘密には
いつも『彼』とメロンソーダがあった
- Episode 1
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メロンソーダの夜
中学二年の春、わたしは初めて塾をさぼった。いつもの駅は夕暮れから夜にかけて、知らない一面をみせてくる。…
- Episode 2
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きみとわたし
わたしが圭介くんと出会ったのは、小学3年の夏休みだった。小学生まで一緒に過ごすという家庭の…
- Episode 3
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あのとき
あのとき——小学4年の秋。わたしははじめて寄り道をして帰った。その日は落ち葉が舞っていて、少し…
- Episode 4
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透明な彼女
わたしと圭介くんは一定の距離を保ったまま秋を迎えた。互いにテストや学校行事に追われたこと、わたしが…
- Episode 5
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不器用な人
テキストをめくる音、シャーペンが問題集を埋める音。わたしの中学最後の夏は、それらが…
- Episode 6
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知らないこと
日曜の正午過ぎ。わたしは圭介くんの家へ向かっていた。団地の階段は、上階へ上がるごとに靴のソールがコツコツ響き…
- Episode 7
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嫌いになれない
圭介くんの高校入学はわたしにとって特別で、きっとわたしたちの関係も変わっていく、今よりももっと…
- Episode 8
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夢から醒めて
ははっと笑う涼子さん。圭介くんとそっくりの笑顔を向けられて、わたしは密かに動揺していた。…
- Episode 9
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もう一度
大人っていいな。そう思った子どもの頃が懐かしい。社会人になって3年目。最近、職場や学生時代…
- Episode 10
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これからも、ずっと
《The final episode》あのとき少しでも違っていたら、どうなっていたんだろう。そんなふうに思うことがある。…